品質システム四方山話 No. 244

検査室の1年余り


 今週は本社検査室長より寄稿頂いたので紹介します。

昨年5月に検査室が発足して1年余りになる。目標として掲げた「不適合の絶無」は幸いにして起きなかった。これは全社一体となって取り組んだことの成果である。この努力に感謝するとともに、率直に喜びたい。検査室としても少しばかり役立ったのではないかと自負している。検査室の担当者としては、当初心配したことがある。それまでは当社のチェック体制は、それぞれの主務課でレビュー、妥当性確認をしていた。それが検査室ができたことで、独自のチェック体制がなおざりになるのではないか、検査室任せになるのではないかとの危惧である。それが殆ど杞憂に過ぎなかった。設計担当者としては、昨今の受注減のあおりを受け、設計を吟味する時間的余裕が若干できたのも幸いしたのかも知れない。受注減は会社にとっては、死命を制する重大問題である。しかし、だからこそ良い成果品を納めることが信用の拡大に繋がり、ひいては営業面にも好結果を生むはずである。

 ただ、問題点もなくはない。同じ会社なのに設計図面の書き方が微妙に違う。細かいことを言えば寸法線の太さ、大きさ、道路中心線の表し方、a宸フ大きさ、などなどである。

同じ業務で違うこともある。その他エトセトラは省略する。なんだその程度かと思ってはいけない。重大なのは用地境界杭の欠落或いは書き違いである。社内検査段階で発見すれば事無きを得るが、成果品納入後であれば重大欠陥になる。

 従来、仕様書どうりに仕上げる、いわゆる仕様規定型設計であったが、コンクリート標準仕方書、各種橋梁設計基準書など性能照査型設計に移行している。したがって、設計手法は既に性能照査型設計で実施することになる。

 誰が設計しても同じ設計では「可も無く不可も無し」ということになる。これでは競争に勝てないのである。国交省の「業務成績評定要領」ではいかに工夫したかがポイントをあげる必須条件である。これにはチェック体制の強化だけでは成し得ない課題である。

それをやりぬくには、どうしても避けて通れないのが「技術力向上」である。これは一気にやれるものではない。地道に計画的にコツコツやるしかない。1年を経過した検査室も試行錯誤をしながらコツコツやろうと思っている。


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